必要な工具
- ・リペアスタンド
- ・ベアリングプレス(HHP-2) ※ 圧入型カップのみ
- ・30mm、32mmヘッドスパナ(HCW-7) 、もしくは300mm以上の大きめのモンキーレンチ
- ・ピンスパナ
- ・グリス(PPL-1など)
- ・ウエス
ここでは、1ピースアジャスタブルタイプボトムブラケット(アシュタブラ型)の調整方法について解説しています。
これらのボトムブラケットは、旧式のSchwinn社やJuvenile社、またはいくつかのBMXタイプやビーチクルーザーなどの車種に採用されているタイプのボトムブラケットです。
クランクは1本の硬材から加工されており、片方のペダルから反対側のペダルまで、ボトムブラケットシェルを通してつながっています。
またクランクは、スピンドルの機能も兼ね備えているユニークなシステムです。
これらの1ピースクランクシステムは、市販されるアダプターなどを使用することで、一般的なカートリッジタイプのベアリングに交換することが可能です。
【1ピースボトムブラケット】
1ピースクランクシステムは、スピンドルの役目を同時に持つクランクセットの中央部にコーン、およびロックリング用のネジが切られています。
これらのネジは、車体右側に位置するネジは正ネジ(時計方向に締まる)、車体左側に位置するネジは逆ネジ(反時計方向に締まる)を採用しています。
1ピースクランクシステムを取り外際は、最初に左側のペダルを取り外すことから始めます。
ペダル着脱の詳細については、以下のページをご参照ください。
- 1. 1ピースクランクの左側にあるロックナットを時計方向に回して緩めて取り外します。作業する際にはParkTool HCW-7 ヘッドスパナ などを使用します。
- 2. 付属のワッシャーを取り外します。
注:ワッシャーにはクランクにある溝に合うよう、ずれ止めの突起があります。
【ベアリングカップの交換】
【組み付けと調整】
【組み付け手順】
- 1. ベアリングカップを取り外した場合、ParkTool HHP-2 などを使用してベアリングカップをボトムブラケットシェルに正しく圧入してください。
- 2. 車体右側から1ピースクランクをベアリングと共に挿入します。
【ベアリングの調整】
基本的な調整方法はアジャスタブルタイプボトムブラケットと同様に、1ピースクランクがスムーズに回転し、ガタがない状態に調整します。
わずかな玉当たりの変化によって、ボールベアリングの回転性能やガタは大きく変化します。そのため、ボトムブラケットの調整においては、できるだけ少しづつ調整することが重要です。
ベアリングやカップ、コーンが消耗していたり、破損している場合、スムーズな調整をすることはできません。最も最善の解決策は部品を交換することですが、一時的に調整を行う場合などは、スムーズな回転よりも、ガタの解消を優先させると良いでしょう。
- 1. 車体左側のロックナットは緩めた状態で保持します。
静かにアジャスタブルコーンを反時計方向に回し、ちょうどカップとベアリングが接触したポイントで止め、そのまま時計方向に1 / 4回転戻します。 - 2. アジャスタブルコーンを保持したまま、ロックナットを反時計方向に締めて固定します。
- 3. 1ピースクランクを上下左右にこじり、ガタがないかを確認します。
スムーズな回転ながらも、スピンドルにガタがある場合は、アジャスタブルコーンの締めこみが緩い事を表しています。
また、スピンドルにガタが生じていないが、スムーズな回転を得られていない場合は、アジャスタブルコーンの締めこみすぎを表しています。 - 4. スピンドルができるだけスムーズに回転し、ガタがない状態ができるまで、この作業を繰り返します。