フィールドメンテナンスのための静電気対策
フィールドメンテナンスのための静電気対策

静電気対策がしっかり施された工場内での作業とは勝手が異なるフィールド作業における静電気対策についてご紹介します。
フィールドメンテナンスとは
フィールドメンテナンスとは
工場内での製品の製造とは異なり、使用ユーザーの元までエンジニアが訪問し、現地で機器のメンテナンスを行うこと。
フィールドメンテナンスと静電気対策
フィールドメンテナンスと静電気対策
機器のメンテナンスを行う場所は、静電気対策の環境が整っていることはまず、ないと考えた方がよいでしょう。
場合によっては、グラウンドの接続先がないなど、工場内の当たり前とは勝手が異なるため、規格に準拠したフィールドメンテナンスのための静電気対策を行うべきです。
正しい静電気対策を行っていない場合、メンテナンスで新たな故障原因を作ってしまうような、二次災害の可能性も考えられます。
規格の抜粋
規格の抜粋
フィールドメンテナンス時に行うべき対策として記載されている例です。

対策要点
対策要点
要点をまとめると、
- ・人体は対象の機器と等電位結合を行うことで対策とする。
- ・一時的な作業表面は対象の機器と等電位結合を行うことで対策とする。
- ・交換前後のESDSは適切な包装を行った上で、一時的な作業表面へ置く。
- 人体は対象の機器と等電位結合を行うことで対策とする。
- 工場内のようにリストストップの接続先(EBP)が設置されているとは限らないため、人体はリストストラップを装着し、対象の機器と接続します。
こうすることで、人体と対象の機器は同電位となり、ESDが起きません。
電位を等しくすることでESDを起こさないようにすることは、工場内で全てをグラウンドに接続する方法とは異なりますが、グラウンドへの接続が難しいフィールドメンテナンスの作業においては非常に有効な手段です。
- 一時的な作業表面は対象の機器と等電位結合を行うことで対策とする。
- 工場内では、作業表面は導電性カラーマットが敷設され、対策されていることが当たり前ですが、フィールドメンテナンスの場合は、一時的な作業表面を用意します。
導電性マットは、持ち運びに不便なため静電気対策された生地などを使用することが多いです。
一時的な作業表面はリストストラップ同様、対象の機器と接続し、同電位にします。
これで、機器、人体、作業表面が同電位になり、この3つの間でESDは起こりません。
- 交換前後のESDSは適切な包装を行った上で、一時的な作業表面へ置く。
- 工場内のように静電界の管理が行われていないフィールドメンテナンスでは、交換のための基板などの取り扱いが重要です。
基板は絶縁性の包装から開け、包装のまま、機器と同電位になっている一時的な作業表面へ置いてください。
これで基板も一時的な作業表面を介して、機器と同電位になります。
対策方法
対策方法
修理・保守を行う機器

- リストストラップ
- 作業者の好みに合ったものをお選びください。
リストストラップは一時的な接続に便利なワニグチクリップ付き。

- F-155
リストストラップ - クリーンルーム対応
抜群の耐久性、バンド部の内側はフルメタルのため、乾燥肌等による導通不良が起こりにくい。
- F-301 ESD対策椅子カバー + F-24 アース線
- 静電気対策がされた生地だから折りたため、洗濯もできます。
紐を縛って巾着にもなります。