ワンキーリリースシステム

市場にある多くのクランク製造メーカーでは、「ワンキーリリース」と呼ばれるシステムを採用しています。「ワンキーリリース」とは、クランクフィキシングボルトの周囲に「リテインリング」と呼ばれる専用のクランクキャップが取り付けられており、クランクフィキシングボルトとリテインリングがコッタレスクランクプーラーのようなクランクを取り外すための専用工具と同じ働きをします。

クランクフィキシングボルトは、必ず正ネジで製造されています。クランクフィキシングボルトを時計方向に回転させると締まっていき、クランクとBBスピンドルを固定します。
また反時計方向に回転させると緩ませることができます。ワンキーリリースシステムの場合、クランクフィキシングボルトの周囲にあるリテインリングが作用し、クランクフィキシングボルト自体が、コッタレスクランクプーラーと同様に動作することで、専用工具を必要とせずに六角レンチ一本でクランクの着脱を行うことができます。
ちなみに、FSA製やRaceFace製クランクのクランクネジはM27を使用しており、一般的なコッタレスクランクプーラー（M22対応）を使用することはできませんので、これら専用のリテインリングを使用したワンキーリリースシステムが採用されています。
これらのリテインリングは、クランクフィキシングボルトが不用意に緩んでしまうことを防止する役割も兼ねているため、クランクがBBスピンドルに固定されている状態において、必ずリテインリングは適正トルクで締め込まれている必要があります。
これらのワンキーリリースシステムは、スクエアタイプスピンドル以外にも、オーバーサイズスピンドル（ISIS、Octalink、BB30など）においても採用されています。

注意：ワンキーリリースシステムの取り扱いに関して、各クランクメーカーの指示に従ってください。