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BB30 ベアリングシステムの着脱

必要な工具

ここでは、BB30ベアリングシステムの着脱についてのみ解説しています。

Park Tool BBT-30.4 は2つのブッシングと1つのリムーバーで構成されています。【図1】

【図1】BBT-30.4 BBベアリングツールセット
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BB30は、2つのカートリッジベアリングがボトムブラケット部に圧入されているシステムです。
BB30に使用されているカートリッジベアリングが消耗した場合、新しいカートリッジベアリングに交換が可能です。

BB30のカートリッジベアリングを交換する際は、まずクランクを取り外します。
取り外す手順は各メーカーの指示に従ってください。
一般的には左側のクランク固定ボルトがワンキーリリースタイプなっていますので、指定の六角レンチを使用して、クランクアームを取り外します。
製品によっては、2本のクランクアーム固定ボルトを使用しているものもありますので、それらの取り外し方法はクランクメーカーの指示に従ってください。
残った側のクランクアームとスピンドルをボトムブラケット部から引き出します。【図2、3】

【図2】ワンキーリリースタイプは六角レンチ一本でクランクアームを取り外すことができます。
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【図3】適宜、プラスティックハンマーなどで、スピンドルにショックを与えると、反対側のクランクアームがスピンドルごと引き出すことができます。
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ボトムブラケット内部とベアリングの位置決めをしているスナップリングを確認します。
スナップリングプライヤーに工具が当たらないように注意します。

スナップリングプライヤーの耳に注意します。
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片方のベアリングを通し、反対側のベアリングの内側に、取り外し工具を合わせます。
取り外し工具を片側のベアリングに通す際、適宜工具を傾けて挿入してください。【図5】

【図5】工具を片側のベアリング外側から挿入し、反対側のベアリングの内側に合わせます。
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取り外し工具に付属しているプラスチック製のガイドブッシングをベアリングに合わせます。【図6】
ガイドブッシングは取り外し工具を真っすぐに保持し、工具をベアリングに対して垂直に当てることができます。

【図6】ガイドブッシングが工具を正しく保持します。
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HMR-2などのハンマーを使用して、セッティングした取り外し工具にショックを与えます。【図7】
その際、フレームや自身の手を傷つけないように十分注意してください。
ほとんどのベアリングはそれほど強い力を必要とせず、容易に取り外すことができるはずです。
万一、固着している場合は、取り外し工具を回転させ、少しづつベアリングに対して工具を当てるポイントをずらしながら、ゆっくりと作業してください。

【図7】取り外し工具にショックを与えて、ベアリングを取り外します。
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片方のベアリングが取り外せましたら、反対側も同様に作業を行い、ベアリングを取り外します。【図8】

【図8】取り外し工具を引き抜き、反対側から挿入し、再度同様の作業をします。
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【ベアリングの圧入】

BB30のカートリッジベアリングはボトムブラケット部に圧入されています。
ベアリングの外径は42mmとなっており、ボトムブラケット部の内径は41.96mmです。
原則的にベアリングを取り外す際は、必ず交換することを前提にしています。
一度取り外したベアリングは再利用できませんので、ご注意ください。

ボトムブラケット内部には、ベアリングの位置決めをしているベアリングストップと呼ばれる部品があります。
たいていはスナップリングが使用されていますが、ほとんどのケースでは、このベアリングストップを取り外す必要はありません。
もし取り外す必要がある場合、先の細いドライバーやスナップリングプライヤーを使用して取り外します。【図9、10】

【図9】適宜、ベアリングストップを取り外す際は先の細いドライバーを使用します。
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【図10】いくつかのフレームメーカーはスナップリングを採用していますので、専用のプライヤーで簡単に取り外すことができます。
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BBT-30.4 には2種類のブッシングが同梱されています。

大きいブッシングは、BB30用ベアリングの圧入に使用し、小さいブッシングはシマノ製プレスフィットBB(BB90やBB95と呼ばれる規格に相当)に対応するブッシングとなります。
これらのブッシングは、HHP-2 HHP-3 などのヘッドワン圧入工具に取り付けて使用します。

ヘッドワン圧入工具に取り付けたブッシングに、圧入するカートリッジベアリングを嵌め合わせます。ブッシングはボトムブラケット部に圧入されるカートリッジベアリングを真っすぐに保持します。
ヘッドワン圧入工具をボトムブラケット部に左右からはさみこむように挿入します。

ブッシングに取り付けられたカートリッジベアリングとヘッドワン圧入工具
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ブッシングに嵌め合わされたベアリングが圧入される直前まで、ヘッドワン圧入工具のハンドルをゆっくりと時計方向に回転させます。
再度、ベアリングがボトムブラケット部に対して垂直に当てられているかを確認できたら、ヘッドワン圧入工具のハンドルをさらに時計方向に回転させ、ベアリングがボトムブラケット内部のベアリングストップに当るまで、しっかり圧入していきます。
途中、ヘッドワン圧入工具自体が、ベアリングの影響で共回りしてしまう場合は、シャフト部をモンキーレンチなどで保持しながら作業を進めます。【図12】

圧入が完了しましたら、ヘッドワン圧入工具を取り外し、カートリッジベアリングが正しく圧入されているかどうかを確認します。
クランクの装着は、各メーカーの指示に従って作業してください。

【図12】完全に圧入されるまでしっかりと作業します。
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