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カセットスプロケット & フリーホイールの着脱

このメカニカルアドバイスでは、カセットハブ及び、フリーホイール(ボスフリー)とシングルスピードフリーホイールのスプロケットの取り外しと取り付けについて説明します。

カセットスプロケットの着脱

フリーホイール(ボスフリー)の着脱

※日本語字幕あります。(設定⇒字幕⇒日本語)

はじめに

リアスプロケットは、以下のいずれかの方法でハブに取り付けられています。

最近の自転車は「カセットハブ」と呼ばれるタイプのハブを使用しているものがほとんどです。
カセットハブは、ハブ本体に取り付けられたクラッチの一種であるフリーハブシステムを使用しています。
フリーハブは、惰性走行の場合は空転し、ペダルを踏むと自転車に動力を伝達します。
フリーハブボディーはハブに固定されており、外側にスプラインと呼ばれる溝があります。
カセットスプロケットはその溝に沿って取り付けられ、ロックリングで固定されています。

一般的なカセットハブ
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古い自転車では、ハブに大きなネジが切ってある場合があります。
このネジに「フリーホイール(ボスフリー)」と呼ばれるスプロケットとラチェットが一体になったアッセンブリを接続します。

フリーホイール(ボスフリー)
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カセットフリーの取り外しと取り付け

フリーホイールリムーバー(ロックリングツール)の互換性

あなたの自転車のカセットスプロケットの種類やメーカーを確認してください。
以下にParkToolの互換性のある工具をまとめました。

フリーホイールリムーバー(ロックリングツール)互換表 -カセットハブ
外観・形状 主な適応カセットスプロケット、フリーホイール ノッチ数 直径
mm
品番
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Shimano、SRAM、ChrisKing、SunRace、Hugi などのカセットロックリング 12 23.4 FR-5.2
FR-5.2G
FR-5.2GT
FR-5.2H
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Campagnolo 12 22.8 BBT-5
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シングルスピード外部ロックリングタイプ 2~8   HCW-17

Campagnoloのディレーラーが搭載されている場合、Campagnolo互換のロックリングを使用している場合が多いです。
そのような場合には BBT-5 を使用してください。

カセットロックリングの取り外し

あなたの自転車のリアスプロケットがこのような形状であれば、恐らくロックリングタイプのカセットスプロケットです。
最新のカセットスプロケットシステムでは、すべてのスプロケットにスプラインがあり、スプロケットはスプラインに沿って取り付けられていて、一番小さいスプロケットの外側のロックリングで固定してあります。

「LOCK」という表示と、ロックするための回転方向を示す矢印とトルクが表示されています。
ロックリングを矢印の反対方向に回すことでロックリングが緩みます。
ロックリングとスプロケットの接触面には緩み止めのローレットが付いていることが多く、ロックリングを緩めたり締めたりすることで大きな音がすることがあります。

カセットスプロケットの外観
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カセットロックリングの取り付け

多くの場合、フリーハブボディとカセットスプロケットは、スプラインによって一定の方向にのみ収まるように設計されています。
これにより変速ポイントを一定の位置に合わせることができます。

  • 1. フリーハブボディのスプラインを確認し、スプロケットをスプラインに合わせて取り付けます。
    全てのスプロケットをスプラインに合わせて取り付けてください。
  • 2. スプロケットの間のスペーサーは取り外したときと同じ方向で取り付けてください。
  • 3. ロックリングのネジ部分に グリース を塗布します。
  • 4. ロックリングツールをロックリングの溝に合わせて取り付け、クイックリリースナットを取り付けます。
  • 5. クイックリリースナットを取り付けることで、フリーホイールリムーバー を確実に保持できます。
  • 6. ロックリングを時計回りに指定された締め付けトルクでしっかりと締め付けます。
    ロックリングの取り付けにはスプロケットリムーバー を使う必要はありません。

ガイドピン付きの フリーホイールリムーバー FR-5.2G /FR-5.2GT を使用する場合

FR-5.2G 及び FR-5.2GT は作業を安定して行うためのガイドピンを備えています。
クイックリリースまたはスルーアクスルを取り外し、ガイドピンをそれぞれのハブ芯に通して使用します。
作業手順は上記と同様です。

FR-5.2G クイックリリース用
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FR-5.2GT スルーアクスル用
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SRAM XDフリーハブと互換カセットスプロケット

SRAM XDフリーハブと互換カセットスプロケットはカセットハブと考えられます。
ロックリングはカセットスプロケットの中に隠されています。
一番小さいスプロケットの内側に12個のスプラインがないか観察してください。
このロックリングにはFR-5.2 FR-5.2G FR-5.2GT またはFR-5.2H を使用します。

SRAM XDフリーハブカセットシステム
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カセットスプロケットを外すには、スプロケットリムーバー でスプロケットが回転しないようにして、フリーホイールリムーバー でロックリングを反時計回りに回します。
ロックリングがフリーハブから外れ、カセットスプロケットが外れます。

カセットスプロケットを取り付ける際は、内側のネジ部分に グリース を塗布します。
カセットスプロケットをフリーハブに合わせて スプロケットリムーバー で規定のトルクまで時計回りに回します。

ネジ部分に グリース を塗布してから組み込む
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ロックリングの無いカセットスプロケットの取り外し

古いフリーハブにはハブ芯の近くにノッチがない場合があります。
このような古いフリーハブでは、カセットスプロケットの固定にロックリングを使用していませんでした。
画像のハブではダストキャップはありますが、ノッチやロックリングの溝はまったくありません。
一番小さなスプロケットがロックリングとして機能します。

スプロケットリムーバー をV字に配置する
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ロックリングの無いカセットスプロケットの取り付け

  • 1. 一番小さいスプロケットのネジに グリース を塗布します。
  • 2. スプロケットを元通りに取り付けます。
  • 3. スプロケットリムーバー をつかって、一番小さいスプロケットのネジを慎重に時計回りに締め付けます。

フリーホイール(ボスフリー)の取り外しと取り付け

あなたの自転車のフリーホイールの種類やメーカーを確認してください。
以下にParkToolの互換性のある工具をまとめました。

フリーホイールリムーバー(ロックリングツール)互換表 -フリーホイール、ボスフリー
外観・形状 主な適応カセットスプロケット、フリーホイール ノッチ数 直径
mm
品番
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Shimano、SunRace、Sachs
※Falconと形状が似ていますが互換性はありません。
1985年以前のユニグライド、Sachs Aris、DNP製の5~9連ボスフリータイプ
12 約23 FR-1.3
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Suntour
※4ノッチ 6ノッチのフリーホイールには使用しないでください。
2 約26 FR-2
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Suntour(1986年以降) 4 約24 FR-3
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Atom、Regina、Zeus、一部のSchwinn 20 約21.6 FR-4
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シングルスピード、BMX 4 約40 FR-6
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Falcon
※Shimanoと形状が似ていますが互換性はありません。
12 約23 FR-7
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コンパクトなシングルスピード(30mmスレッド/フリップフロップ) 4 約32 FR-8

古いShimanoの規格には、12ノッチで直径が約20mmのものがあります。また、フランスのMaillardの規格には24ノッチで直径が約31mmのものがあります。
これらに適合する工具はParkToolでは製造していません。

取り外しに適切な工具がないフリーホイールも存在します。
画像のフリーホイールは2つの非常に狭く浅いノッチがあり、工具が十分にかかりません。
このようなフリーホイールを取り外す場合、フリーホイールと工具の両方を破損する可能性があります。
詳しくは「専用工具の無い場合のフリーホイールの取り外し 」を参照してください。

シングルスピードの非常に狭く浅いノッチ
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どの工具も適合しません
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フリーホイール(ボスフリー)の取り外し

フリーホイール(ボスフリー)の取り付け

  • 1. フリーホイールの取り付けネジにグリース 焼き付き防止剤 を塗布します。
  • 2. ホイールを作業台に置き、水平にします。
    スプロケットがホイールと平行になるようにフリーホイールを保持し、時計回りに回して取り付けます。
  • 3. フリーホールの穴から見えるアクスルを確認してください。アクスルが中心から外れているように見える場合は、フリーホイールが斜めに入りクロススレッドになっている可能性があります。
    その場合は一旦取り外して作業をやり直してください。
  • 4. フリーホイールが完全にねじ込まれたと感じるまで手で時計回りにねじ込みます。
    途中で大きな抵抗を感じる場合は、取り外してスムーズに入る位置を探してください。
  • 5. フリーホイールを本締めします。
    a.スプロケットリムーバー を使用して、フリーホイールを最後まで締めこみます。これにより、フリーホイールがハブに完全に固定されます。
    b.または、ホイールを自転車に取り付け、リアブレーキをかけた状態でペダルを踏み込んで締めこみます。
  • 6. 新しいフリーホイールや新しいホイールに交換した場合は、リアディレーラーを再調整してください。

スレッドオンフリーホイール

ロックリングを使用してスプロケットをフリーホイール本体に固定しているスレッドオンフリーホイールのモデルがいくつかあります。
このロックリングは取り外すことができますが、通常はその必要がありません。
ロックリングはフリーホイールユニットの組み立てに使用されており、分解することができますがスプロケットが摩耗した場合などはユニット全体を交換する必要があり、サービス用ではありません。
画像のフリーホイールのロックリングの内側に注目してください。
これらは「カセットハブ」システムではなく、フリーホイールシステムでありそれぞれ FR-2 FR-1.3 を使用します。

FR-2 を使用するフリーホイール
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FR-1.3 を使用するフリーホイール
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おすすめ工具

1. フリーホイールリムーバー

カセットスプロケット用の場合
フリーホイール用の場合

2. モンキーレンチ

PAW-12
アジャスタブルレンチ

3. スプロケットリムーバー

SR-12.2
スプロケットリムーバー
SR-18.2
スプロケットリムーバー
SR-2.3
スプロケットリムーバー

4. グリース、焼き付き防止剤

PPL-1
ポリリューブ1000
PPL-2
ポリリューブ1000
ASC-1
焼付き防止剤
HPG-1
ハイパフォーマンスグリース

5. トルクレンチ

TW-2.2
トルクレンチ
TW-6.2
トルクレンチ

6. リペアスタンド

PCS-9.3
ホームリペアスタンド
PCS-10.3
ホームメカニックリペアスタンド