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クランクセット(ISISドライブ、Octalinkタイプ)の着脱

必要な工具

ここでは、溝付オーバーサイズBBスピンドルを使用するクランクセットの着脱方法について解説しています。

これらの種類のスピンドルは、ISISドライブやシマノ製Octalinkシステムと呼ばれるBBスピンドルが対象となります。

一般的なスクエアタイプに関する詳細については、以下のページをご参照ください。

» クランクセット(スクエアタイプ)の着脱

これらのクランクアームは、スクエアタイプスピンドル同様に圧入されており、取り外す際には専用工具を使用しなければなりません。
例えば、BBセットやチェーンリングなどを交換、修理する際には、必ずクランクアームを取り外す必要がありますので、クランクアームの着脱作業は、比較的ポピュラーな作業であると考えられています。
スクエアタイプスピンドルとの大きな違いは、スピンドルの直径が大きい事、また強固な嵌め合いと応力の分散を目的として、複数の溝(スプライン)を設けることによって、より強く頑丈なシステムになっています。
これらのシステムは2つに大別することができ、一つは8つの溝を持つシマノのOctalinkシステム、もう一つは10の溝を持ち、多くのメーカーが統一のシステムとして採用しているISISドライブ(Internal Spline Interface Standard)が挙げられます。

これらのシステムは大変よく似ていますが、それぞれ互換性はありません。

FSA Power Drive
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Truvativ Power Spline
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これらのシステムを取り外す際、必ず最初にクランクとBBスピンドルを固定しているクランクフィキシングボルトを半時計方向に回転させて取り外します。
一般的なクランクフィキシングボルトの場合、ボルトだけが外れてきますが、クランクアームとクランクフィキシングボルトの間にはワッシャーが入っています。
クランクアームの取り外し作業を行う前に、これらのワッシャーがクランクアームに残らないよう必ず取り外します。

シマノ製Octalinkシステム(8 Spline)
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ISISドライブシステム(10 Spline)
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ワンキーリリースシステム

一部のクランクセットには専用工具を必要とせず、六角レンチ一本でクランクアームの着脱が可能な、「ワンキーリリースシステム」を採用しています。メーカーによっては、クランクフィキシングボルトのみを交換することで、ワンキーリリースシステムにすることができるキットを用意していることもあります。

ワンキーリリースシステム関する詳細については、以下のページをご参照ください。

» ワンキーリリースシステム
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ワンキーリリースシステムを採用したクランクフィキシングボルト
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クランクアームの取り外し

溝付オーバーサイズBBスピンドルを使用したクランクシステムには、上記のようなワンキーリリースシステムを採用していないものも多く存在します。
そのため、コッタレスクランクプーラーなどの専用工具が必要になりますが、スクエアタイプスピンドル用のコッタレスクランクプーラーは使用することができません。溝付オーバーサイズBBスピンドル(OctalinkやISISドライブなど)には、ParkTool CCP-44 CWP-7 コッタレスクランクプーラー などの専用工具を使用します。

CCP-44 CWP-7 コッタレスクランクプーラー
(溝付オーバーサイズBBスピンドル専用)
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  • 1. チェーンリングによる怪我を防止するため、チェーンをアウターチェーンリングに移動させます。
  • 2. クランクアーム中央にあるクランクフィキシングボルトを反時計回りに回転させて取り外します。その際クランクアームにワッシャーなどが残らないように注意します。
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  • 3. ParkTool CCP-44 CWP-7 コッタレスクランクプーラー をクランクアームに取り付けます。クランクアームにある工具取り付け部のネジは大変薄いため、コッタレスクランクプーラーがしっかりと奥まで装着してください。適宜、アタッチメントの固定にはモンキーレンチなどを使用します。

注意:コッタレスクランクプーラーの取り付けが不十分な場合、クランクアームを破損する恐れがあります。

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  • 4. コッタレスクランクプーラーのハンドルを時計方向に回転させると、ゆっくりとクランクが外れてきます。コッタレスクランクプーラーのハンドルを回転させてもクランクが引き抜けない場合、クランクアームが破損していたり、正しく工具の取り付けが行われていない、またはクランクアームに対して適切な工具が使用されていないなどの恐れがありますので、一度工具を取り外し、全ての作業をやり直してください。
  • 5. もう一方のクランクアームも同様に作業して取り外します。
コッタレスクランクプーラーのハンドルを時計方向に回転させ、クランクを抜き取ります。
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クランクアームの取り付け

スクエアタイプスピンドルと異なり、クランクアームを取り付ける際に多少の注意が必要です。
特にワンキーリリースを使用している場合、クランクアームの外側から、BBスピンドルのスプラインとクランクアームのスプラインを合わせて確認することができません。
そのため、正しくBBスピンドルとクランクアームを嵌め合わせることができない場合、クランクアームを著しく損傷させる恐れがあります。
作業不良を防ぐため、基準となる溝を決定し、12時の位置に来るようにして作業を行うと、クランクアームのスプラインを合わせやすくなります。

BBスピンドルの基準となる溝を12時の位置に合わせ、クランクアームを正しく取り付けます。
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  • 1. スピンドルとクランクアームの嵌め合い部をきれいに洗浄します。適宜、きれいに洗浄してください。
  • 2. 適宜、スピンドルとクランクアームの嵌め合い部、およびクランクフィキシングボルトのネジ部にグリスを塗布します。
  • 3. BBスピンドルの基準となる溝を12時の位置に合わせます。
  • 4. ドライブ側クランクアーム(チェーンリング側)をスピンドルに取り付けます。
    この時、クランクアームが下(6時の位置)を向くように取り付けます。
    慎重にクランクフィキシングボルトとワッシャーを取り付け、六角レンチを使用して締め込んでいきます。この時、スムーズにクランクが圧入されていかない場合、BBスピンドルとクランクアームが正しく嵌め合っていない可能性がありますので注意してください。
  • 5. 完全にクランクフィキシングボルトを締め込み、トルクレンチを使用して、適正トルクで時計方向に締め付けます。
  • 6. 反ドライブ側クランクアームも同様に取り付けます。取り付けの際、クランクアームが左右で互い違いになるようにスピンドルに取り付けてください。
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