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規格一覧

静電気の管理に関する規格は、代表的なものとして以下のようなものがあります。目的や内容はほぼ共通となっています。

国内の規格であるJIS/RCJSはともに、IECの国際規格を基にしています。基本的にIECがそのまま和訳されたものが、JISです。
一方、接地環境の関係でJIS化できないものを日本に適した形に規格化したものがRCJSです。
JISとRCJSの両方を見ることで、国際規格が網羅できるようになっています。
以下が、国際規格であるIECと国内の規格JIS/RCJSの対応表です。

国際規格と国内規格の対応表

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国際規格 国内規格 内容
IEC 61340-5-1   RCJS-5-1 一般要求事項
IEC 61340-2-1 JIS C 61340-2-1   材料・製品の測定方法
IEC 61340-2-2 JIS C 61340-2-2   帯電特性の測定方法
IEC 61340-2-3 JIS C 2170 RCJS-5-1 附属書J 固体平面材料の試験方法
IEC 61340-3-1 JIS C 61340-3-1   静電気の影響のシミュレーション方法(HBM)
IEC 61340-3-2 JIS C 61340-3-2   静電気の影響のシミュレーション方法(MM)
IEC 61340-4-1 JIS C 61340-4-1   床材・施工床の測定方法
IEC 61340-4-3 JIS C 61340-4-3   履物の測定方法
IEC 61340-4-4 JIS C 61340-4-4   フレキシブルコンテナの試験方法
IEC 61340-4-5 JIS C 61340-4-5   人体・履物・床の評価方法
IEC 61340-4-6 JIS C 61340-4-6 RCJS-5-1 附属書A2 リストストラップの試験方法
IEC 61340-4-7 JIS C 61340-4-7 RCJS-5-1 附属書A4 イオナイザの試験方法
IEC 61340-4-8 JIS C 61340-4-8 RCJS-5-1 附属書A5 バッグの試験方法
IEC 61340-4-9 JIS C 61340-4-9 RCJS-5-1 附属書A1 衣類の試験方法

JISとRCJSが並列している場合、当社では最新の国際規格(IEC)に基づいたものを基準としています。

JISは、各静電気対策アイテムを評価する際の試験方法が中心であり、具体的な数値管理の方法や、運用の仕方については記載されていません。
具体的な管理方法・運用方法に関してはすべてRCJS-5-1に記載されており、この規格が重要になっています。

RCJS-5-1

RCJS-5-1は国際規格(IEC61340-5-1)を基にした国内の団体規格です。
一般財団法人 日本電子部品信頼性センター(RCJ)が公表した規格で、「静電気現象からの電子デバイス保護一般要求事項」として、JISで制定されていない試験方法(手袋・指サックなど)を含めた静電気対策のアイテムやシステムについての要求事項を定めています。
電子デバイスの保護を目的とした静電気対策には、この規格に沿ったアイテムの使用が求められます。
具体的には、HBM100V以上の静電気放電(ESD)が起こらないようにコントロールすることを目的としています。静電気対策用品には、電撃(スパーク)を防ぐためのものや、樹脂製品にホコリが付着しないようにするためのものなどがありますが、これらのアイテムでは放電対策の設定電圧が高く、電子デバイスを保護するのに適さない場合があります。

※Human Body Modelの略。帯電した人体から電子デバイスへの放電を表します。

ESD保護アイテムに対する要求事項(RCJS-5-1:2016より)

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【アイテム個別の要求事項】
  端子間抵抗 Re
または点間抵抗 Rp(Ω)
EPAグラウンド抵抗、または
グラウンド可能接続点への抵抗 Rg(Ω)
電荷減衰※(4)
作業表面、保管棚、
トロリー及びカート
1×104≦Rp≦1×1010※(5) 7.5×105≦Rg≦1×109※(5)  
  ≦Rg<1×109最小値※(1)(2)  
椅子   Rg≦1×1010  
衣類 1×105≦Rp<1×1011    
手袋、指サック   ※(6) ※(6)
着用していないリストバンド Rp≦1×105    
リストストラップ
グラウンドコード
7.5×105≦Re≦5×106※(3)    
履物   Rg<1×108 最小値※(7)  
工具   Rg<1×1012※(1)  
イオナイザ     1000Vから100Vまでの減衰時間が最大20秒
【システム要求事項】
着用したリストストラップ
(リストストラップシステム)
  7.5×105≦Rg<3.5×107  
着用した手袋と指サック   7.5×105≦Rg<1×1012 初期値(Max1000V)から初期値の10%まで2秒未満
金属プレート上で着用した靴   1×105/(片足)≦Rg<1×108※(2)  
人体 / 履物 / 床システム   Rg<1×109Ω※(2)及び人体電位<100V
(5個の最高点の平均)
 
工具システム     初期値(Max1000V)から初期値の10%まで2秒未満

【包装の要求事項】(RCJS-5-1より解釈)1×102<Rs※(8)<1×1011 電荷減衰:初期値(5000V)から1%まで2秒以内※(9)

【静電気管理衣類】(JIS C 61340-4-9による推奨値) Rp<1×1011

【グラウンド可能接続点付き衣類の要求事項】(JIS C 61340-4-9による推奨値)Rg<1×109※(10)

※(1)…ESDSを保護するための最小抵抗値というのはない。しかし安全性確保のために、最小抵抗値が必要な場合がある。関連の国内基準、IEC61010-1、IEC60479、IEC60536、IEC60364を参照。

※(2)…人体接地の基本的な方法として履物 / 床システムを使用する場合の下限抵抗値は、人体安全性を考慮してESDコーディネータが決定する。(RCJS-5-1 5.5項及びIEC 61340-4-5を参照)

※(3)…最大のEPAグラウンド抵抗値は、250V(ac)、または500V(dc)当たり最小7.5×105Ωの抵抗を確保するために増加することがある。(通常1×106Ω)
抵抗は、250V(ac)、または500V(dc)当たり1/4Wの最小電力定格をもつようにする。

※(4)…表面抵抗、点間抵抗、グラウンド可能点への抵抗が1×1010Ωを超える場合、または材料が均質でないもの、または絶縁性部位を持つ構造の場合は必須となる。

※(5)…ESDコーディネータが承認した場合には、規定された下限抵抗値以下の抵抗は許容される。

※(6)…システム要求事項の着用した手袋と指サックを参照。

※(7)…人体 / 履物システムの要求事項を参照。

※(8)…Rs:表面抵抗

※(9)…表面抵抗が1×109Ωを超える場合必須となる。

※(10)…人体接地の基本的な方法として、衣類を使用する場合には、合成抵抗はESDコーディネータが決定する。
その推奨値は<3.5×107Ωである。(RCJS-5-1 5.5項及びRCJS-TR-5-2 5.3.3.8.2.4項)

静電気障害を安全に防止できる製品
(団体規格 RCJS-5-1に準拠した、当社独自のESD管理値を満たすことを示しています。)
を満たす製品で、且つ導電性ポリマーを使うなど、カーボンや界面活性剤が入っていない製品

静電気障害を安全に防止できる製品に加え、カーボンや界面活性剤を含まない導電性ポリマーを使用した製品で区別されます。
なお、表面抵抗値はRCJS-5-1に対応したものです。

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