EPAの設定と考え方

EPAの設定と考え方

EPAと設定したら何が変わるの?
EPAを設定せずに静電気対策を広げていくことは、費用面、管理面のどちらからもおすすめできません。
正しいEPAの運用のためには様々な制限があり、エリアを広げることで不都合が増えることが予想できるからです。
EPAという概念を正しく理解することは効果的な静電気対策を実行することと同意義と言っても過言ではありません。
ここでは、EPAの要件やEPAの最小単位である作業台1台からの対策についてご紹介します。

EPAとは

EPAとは

ESD Protected Area の略でESD保護区域、静電気対策エリア等と呼ばれます。
EPAを設定することは対策を始める第一歩とも言えます。

EPAの要件

EPAの要件

  • ・エリア内はアイテムの要求事項に則って、静電気対策がされている
  • ・エリアが明確にUPA(Unprotected Area:非ESD保護区域、非EPAという)と区別されていること
  • ・導体は必ずグラウンドを確保する
  • ・エリア内には不要な絶縁物がない
  • ・エリア内の必要な絶縁物は静電界管理が適切に行われている
  • ・広さによる制限はなし、最小は作業台1台から
エリア内はアイテムの要求事項に則って、静電気対策がされている
エリア内は規格のアイテムの要求事項に沿って対策していることが前提です。
アイテムの要求事項についてはこちらで詳しく解説しています。
静電気対策の森 »
対策エリアの範囲設定は静電気対策の中でも重要なプロセスです。
場合によっては、エリアの設定後にアイテムを導入していく場合もあります。
エリアの設定せずに対策を進めると結果的に無駄な対策を行ってしまうこともあり、エリアの設定を先におこなうことをおすすめします。
エリアの設定の前後を問わず、最終的にエリアはアイテムそれぞれの要求事項に沿った対策が必要です。
エリアが明確にUPAと区別されていること
エリアの設定を明確にするために標識を使用し、明示を行います。
→ 作業者には表示の意味が分かるよう教育が必要です。
ESD保護区域内標識
EPAの明示
→エリア内でこの明示を使用
EPA境界標識
この先のエリアがEPAであることの明示
→エリア外でこの明示を使用
EPA出口標識
この先のエリアがUPAであることの明示
→エリア内でこの明示を使用
EPA標識ダウンロード可能 »
導体は必ずグラウンドを確保する
作業者やエリア内の導体はグラウンドに接続し、同電位の環境を作ります。
エリア内で同電位が維持されることでESDを起こさない環境を構築できます。
エリア内には不要な絶縁物がない
エリアでは電子部品や基板が静電界の影響を受けないよう絶縁物はなるべく排除する必要があります。
静電気対策品への置き換えも検討してください。
エリア内の必要な絶縁物は静電界管理が適切に行われている
排除や置き換えが難しい絶縁物は静電界管理のもと、影響をコントロールし、使用するということになります。
基板や電子部品を扱うエリアの静電界は5000V/mを超えないようにしなければなりません。
基板や電子部品と距離をとることでコントロールできる場合もありますが、イオナイザ(除電器)の使用や絶縁表面へ化学的処理(導電塗料の塗布など)の処置が必要となる場合もあります。
静電界管理はこちらの製品で »
広さによる制限はなし、最小は作業台1台から
エリアは部屋単位、工場単位である必要はありません。
最も小さい場合は、セル台、作業机1台からでも可能です。
通路や共通の設備等はEPAと指定せず、各作業台のみをEPAと設定することも可能です。
→EPAとUPAが入り混じるような構造となっている場合、対策の要不要の判断材料は、標識がきっかけとなり得るためエリア明示の重要性は高くなります。

  • 部屋全体がEPAの例

  • 机のみがEPAの例

EPAとUPAの違い

EPAとUPAの違い

静電気対策が万全なEPAとそうでないUPAでは、基板の取り扱い方法や包装などに違いがあるため、注意が必要です。

EPA(静電気対策エリア)

エリア内の静電気は完全にコントロールされており、
電子部品や基板を取り扱うことが許される

UPAからEPAへ
電子部品や基板を持ち込む際は絶縁物の包装は持ち込み禁止

UPA(非静電気対策エリア)

静電気はコントロールされておらず、
電子部品や基板の取り扱いは禁止

EPAからUPAへ
電子部品や基板を持ち出す際は保護包装が必要

設定単位の違いによるメリット・デメリット

設定単位の違いによるメリット・デメリット

EPAの範囲は自由に設定できますが、そのエリアの大小によってメリット・デメリットが発生します。

部屋単位/工場単位

対策を必要とするエリアが大きくなるため、
費用負担 大
基板や電子部品の移動が自由(EPA内)
管理の広範化

作業台単位

対策を必要とするエリアが小さくなるため、
費用負担 小
基板や電子部品の移動に大きな制限(包装が必要)
管理の複雑化

作業性や管理も考慮し、自社に最適なEPA構築を